【Bloodborn】感想・レビュー ソウルシリーズより高速化した戦闘が魅力【ブラッドボーン】

ブラボタイトル 感想・レビュー

PlayStationHits版発売により1,990円+税という超コスパで買えるようになった。ブラッドボーンの感想・レビューをお届けします。

フロムソフトウェアの大人気死にゲーシリーズ「ダークソウル」の系譜に連なる傑作です。

ちなみに対人戦等はほとんどやっていないので、オフライン要素メインの感想・レビューとなります。

目次

世界観、あらすじ

まちなみ

「青ざめた血を求めよ。狩りを全うするために。」

舞台は中世ヨーロッパ風の建物が立ち並ぶ「古都ヤーナム」の市街地に始まる。

都では「獣の病」が蔓延しており、この病に罹患した者は除々に自我が崩壊し、やがて理性を失う。その姿はもはや人ならざるもの、すなわち獣となれ果ててしまうのである。

主人公はこの哀れな獣達を狩る、狩人として「獣狩りの夜」に身を投じることになる。

一見するとゴシックホラーだと感じるだろうが、この物語の本質はそれに留まらない。

獣狩りの夜が更けるにつれて、世界の様相は一変することになる。

果たして自分が切り刻み、弾丸を叩き込んでいる相手は何者なのか。敵なのか味方なのか。見えているものが全てなのか。

そもそも自分は何者で何処から来て何処へ行くのか。旅の果てに何を成そうとしているのか。

この夜は夢か現実か。

混沌と化した世界の中で主人公は獲物を狩り続ける。

狩りを全うするために。

啓蒙が足りない!

ゲーム内のフレーバーテキストのようなセンスが欲しいです。

ゲームシステム・操作性

3人称視点のアクションRPG

主人公とカメラの距離感はちょうど良いバランスで、敵との間合いを把握しやすいです。

ロックオン機能もあり、敵を画面中央で捉え続けることも出来ます。アクションでは重要なカメラワークは良いと言えます。

ソウルシリーズの伝統の死にゲー

ダークソウルから通ずる、死んで覚えるゲームバランスは健在で、雑魚敵相手でもあっさりと死んでしまいます。

死ぬとペナルティとして、経験値兼お金の役割を果たす血の遺志を全てロストしてしまいます。

一度目は死んだ現地まで行けば回収できますが、回収までにもう一度死んでしまうと完全に消滅していまいます。

このシステムが何気ない探索にも緊張感を生み、手に汗握る戦闘と勝利の大きな達成感につながるのです。

高速、攻撃的になったアクション

ステップ

今作は歴代ソウルシリーズよりも攻撃的なアクションが求められます。

すぐ死ぬゲームなのに防具は手薄で、盾は木の板しかありません。その代わりステップ等の回避行動の無敵時間・移動距離が長くなっています。

守るのではなく避けるが基本的な防御スタイルになります。

また、「リゲイン」システムも攻撃的スタイルに拍車をかけます。これは被ダメージ後すぐに反撃すると体力が一定量回復するというものです。

以上のような仕様から、死なないためには隙を見てステップで相手の懐に飛び込む。リゲインを駆使しながら積極的に攻撃していくという戦法が基本的な立ち回りになります。

銃パリィと内臓攻撃

パリィというのはジャストガードのようなもので、敵が攻撃モーションに入った適切なタイミングで入力することで発動します。

敵の体勢を大きく崩し、隙を作り出すことが出来ます。

ソウルシリーズでは盾によりパリィを行っていましたが、ブラッドボーンでは銃により行います。これが気持ち良い&カッコいい。

銃弾を適切なタイミングで撃ち込むことで、体勢が大きく崩れ「内臓攻撃」という致命の一撃に繋げることができます。

内臓攻撃は敵の体力を大きく奪うだけでなく、演出が派手で爽快感抜群です。

トロフィーが物語る難易度

記事投稿時点で最初のボスの突破率が50%を下回るというあまり見ない数字になっています。一定のプレイヤースキルが求められることは確かでしょう。

しかし、忘れがちですが完全なアクションではなくRPGなのでレベル上げや装備の強化を行うことが出来ます。

本作の成長システムはレベル上げに応じたポイントを体力やスタミナなどに振り分けることが出来ます。

難しいなら体力を優先したり、ゲームが上手い方は火力を重点的にあげたりと状況に応じたステータス構成が可能です。

加えて、どのステータスを強化しても防御力だけは共通して上がるという仕様が、心さえ折れなければいつか光明を見出すことが出来るゲームバランスに繋がっています。

グラフィック・キャラクター

近年のゲームと比較すると・・・

近年発売のゲームと比較すると、キャラクターのグラフィックはやや見劣りするかもしれません。

デトロイトとかメイキング映像を見ると俳優さんの顔そのままですよね。今作も十分キレイですが。

ステージに目を移すと建物や配置されている小物の細部まで作りこまれており、探索のワクワク感を演出してくれます。

暗闇の恐怖

暗闇の使い方が非常に巧みであり、得体の知れない不気味さを常に感じながら足を前に進める必要があります。

灯り
チェックポイントとなる灯り
拠点に戻ることができ、ファストトラベルのポイントにもなる灯り。暗闇で消耗した心に安心感をくれる。周りにいるのは敵ではなくマスコットキャラクターです。

ギミックが魅力の仕掛け武器

今作の武器は仕掛け武器と呼ばれ、ほとんどが変形ギミックを備えています。これがカッコいいんです。

例えば普段は普通の片手剣ですが、変形すると鞘が刃になって大型の両手剣になったりします。新しい武器を手に入れる度に攻撃・変形モーションを確認したくなります。

世界観を壊さないグラフィック

グラフィック面で見ても違和感のあるステージやキャラクター等はなく、全体的な世界観の雰囲気作りは高いレベルでまとまっています。

人によってはグロい、怖いと感じるほどのデザインの敵もいるので苦手な方は要注意かも・・・

BGM・サウンド

緩急のあるBGM

普段の探索は基本的にBGMのない静かなものになります。静かなだけにちょっとした物音や声などにとても過敏になり、ホラーテイストの演出に一役買っています。

ボス戦を盛り上げるBGMはどれも印象的で、強敵に挑む緊張感と高揚感を高めてくれます。

ゲームプレイ全体と同じく緊張と緩和が上手く使い分けられている印象です。

重厚なSE

発砲音や金属音などのSEには安っぽさがなく、むしろ重厚であると感じます。

ダークで重い世界観を壊さないようゲームにマッチしています。

剣戟があるゲームはSE一つで雰囲気が壊れてしまったりするので、フロムさんはこのあたりよくわかってるなと感じます。

やりこみ要素

クリアには影響しないボス達の打倒

本編中に倒さなくてもクリアできるボスが存在します。

そのほとんどがクリアに関連するボスよりも強いバランスなっていて、このボス達に挑むだけでもやりこみが必要になってきます。

聖杯ダンジョン

最も代表的なやりこみシステムは、本編とは桁違いの難易度を誇る聖杯ダンジョンでしょう。

聖杯ダンジョンにはマップやボスが決まっている固定聖杯と内容が変わるインスタンスダンジョンを生成する汎聖杯とがあります。

どちらもシンプルに本編中よりも敵が強いだけでなく、配置のいやらしさや同時に相手にしなければならない数も多いです。

個人的に最も苦労したのは強制的に体力が半分にされてしまうというダンジョンです。

レベルによるプレイヤースキルの補完が役に立たないため、同じところで数日詰まった記憶があります。

「本編では満足できなくなってしまった。」という人向けの歯ごたえのある難易度調整となっています。

武器や防具の収集

武器や防具の収集もやりこみ要素だと言えるでしょう。

各アイテムのフレーバーテキストは好きな人にはたまらないでしょう。

探索で消耗したときには、世界観に浸ってフレーバーテキストから物語を考察してみるのも楽しみ方の一つです。

DLC

oldhunters

もはや本編の一部といっても良いシナリオ

DLCを含めて一つの作品であると言っても過言ではないくらい濃い内容となっています。

本編中では名前だけしか登場しなかったキャラクターが登場したり、新たな仕掛け武器も用意されています。

蛇足感は全く感じません。

日本語吹き替えがプレイ可能に

インストール後は日本語吹き替えでのプレイが可能となり、新鮮な雰囲気で作品を楽しむことができます。

個人的評価

世界観・ストーリー

完成度の高いダークファンタジーの世界観と先の読めない展開や、考察の余地を残すシナリオが楽しめました。

ゲームシステム・操作性

ソウルシリーズの操作感も好きですが、今作の高速化された戦闘を体験するとソウルシリーズはもっさりしていると感じるほどでした。

爽快感は抜群にあります。

死にゲーな部分は人を選びそうなので、マイナスポイントとしました。

グラフィック・キャラクター

ステージや敵・武器等世界観を構築するグラフィックは満点です。

キャラクターについてはプレイヤーがクリエイト出来ます。

しかし、あまり特徴は出しにくい仕様であり、感情移入のしにくさからマイナスポイントとしました。

クリアしやすさ

しっかり死んで覚える・レベル上げや装備を強化することを徹底すれば誰でもクリアできる難易度ではあると思います。

特に序盤がキツい設計でかつトロフィーを見てもエンディング到達率が平均10%ちょっとしかないので、心折れたプレイヤーが多いのだと推測出来ます。

BGM・サウンド

探索時の静寂とボス戦の死闘感のあるBGM、この緩急が素晴らしいと思いました。

SEなどもチープではなく世界観の構築に一役買っています。

やりこみ要素

聖杯ダンジョンや有料DLCだけでも結構なボリュームですが、オンラインでの対人戦などを考慮するとある意味無限に遊べるコンテンツであると思いました。

またボリュームだけでなく、DLCのシナリオや固定聖杯クリアの達成感等ゲーム体験としても楽しめました。

まとめ 難しくても、それを上回る楽しさがある

総合的に非常に完成度の高いゲームで、プレイ体験も爽快感や達成感という面で他のゲームにはない部分があるのですが、オススメ度は難易度が高いことからやや低めになりました。

このゲームに必要なのはスーパープレイが出来る操作能力ではなくて、諦めずにやりぬく力・折れない心です。

何故クリアできるかって?クリアするまでやめないからだよ!という精神力があれば確実にクリアできます。

面白いらしいけど、難しいんでしょ?と敬遠していた方や、序盤で積みゲーにしてしまったという方にも是非遊んでもらいたい一作です。

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