【ドラクエ11】感想・レビュー 大人から子供まで楽しめる王道JRPG【DQ11】

ドラクエ11アイキャッチ 感想・レビュー

日本人ならゲーマーのみならず一度は「ドラクエ」という言葉を耳にしたことはあるのではないかと思います。

そんな国民的RPGの最新作であるドラゴンクエスト11ですが、僕はPS4購入のきっかけがモンスターハンターワールドだったため未プレイでした。

本作は全体的なゲームとしての完成度はもちろん、特にストーリーがドラクエらしい王道展開の中にも意外性のある構成となっていて、前情報なしで体験してもらいたいので、未プレイの方のためになるべくネタバレなしで感想・レビューをお届けしたいと思います。

目次

世界観・あらすじ

世界観はドラクエ伝統のといっても良いであろう剣と魔法のファンタジー世界です。それをベースに美しいフィールドや個性豊かな街が息づいています。

物語はある王国に一人の男の子が誕生することからはじまります。彼の手の甲には特別なアザがあり、それは伝説の勇者の生まれ変わりの証であったのです。彼が今回の主人公になります。

誕生

幸せそうな表情で主人公を見つめる王女でしたが、魔物の襲撃により城からの逃亡を余儀なくされます。城の外はとんでもない大嵐。逃亡の最中、主人公は母親とはぐれ川に転落してしまいます。

しかし、そこはさすが主人公。無事に田舎町まで流れ着き偶然釣りをしていた住民に拾われ育てられることになります。

そして、16年の月日が流れ・・・いよいよ彼の冒険が始まりを告げるのです。

導入部

ゲームシステム・操作性

親切すぎるくらいのゲームデザイン

全体的にプレイヤーに対して親切な設計がなされています。

プレイ中特に感じるのはマップの利便性の良さです。□ボタンを押せばフィールド・町・ダンジョンを問わず開き、次の目的地やヒントをくれるNPCがマーキングされています。

ドラクエといえばとりあえず酒場に入って、手当たり次第NPCに話しかけまくる印象があったのでなんて便利になったんだと驚きました。

ファストトラベル機能

最近のゲームでは必須のファストトラベル機能ですが、ドラクエには伝統の呪文である「ルーラ」があります。

このルーラがまた便利で、拠点となる町だけではなく「キャンプ」と呼ばれるフィールドやダンジョン内で休息がとれるスポットにも飛べます。

攻略・レベル上げ等をするダンジョンと装備の更新や道具の補充を行う町を気軽に行き来でき、ストレスフリーなプレイが可能です。

あらすじ機能

印象的だったのはゲーム開始時に毎回表示される「あらすじ」機能です。

これは前回までのストーリーの振り返りや今後どこに向かうのかということを簡潔かつ丁寧に教えてくれます。

プレイ期間が空いてもすぐに再びゲームに没入できるので、ドラクエシリーズを初期の頃からプレイしてきた社会人ゲーマーを意識した機能だと感じました。

伝統の戦闘システム

戦闘画面

戦闘システムはオーソドックスなターン制コマンド入力バトルです。一言でいうならいつものドラクエです。

「こうげき」、「じゅもん」、「ぼうぎょ」等ややこしいゲーム内用語がなく、迷わずボタンを押せるメニュー画面です。プレイしていてストレスがありません。

個人的にターン制バトルは爽快感がイマイチな印象があるのですが、本作ではそのあたりにも工夫が見られます。

例えば「かいしんのいちげき」が発生したときは特殊なエフェクトとヒットストップが発生し爽快感を演出してくれます。気持ち良いです。

また、呪文のエフェクトも派手で全体攻撃呪文で魔物の群れを吹き飛ばすのは爽快です。

仲間のいれかえが戦闘中でも可能で「さくせん」から、敵に合わせて入れ替えることができます。

もう少し火力が欲しい、ヒーラーが足りないといったときに臨機応変に対応できます。

フィールド上の移動は遅め

オープンワールドではないですが、それなりに広いマップを行き来するのでフィールド上の移動速度はもう少し速いほうが良いと思う場面はありました。

一応馬を呼び出したり、特定の魔物を倒して乗ることで速くすることはできますが、ダンジョン内やせまい通路などは乗り物が入ることができません。

主人公自身にもダッシュ機能等がついていれば更に快適であっただろうと思います。

グラフィック・キャラクター

人・魔物・景色の描写は非常に精細

街なみ

画像は故郷を出て最初に訪れることになるデルカダール城下町の町並みですが、一目見て作りこみの細かさに驚かされました。

他の町もそれぞれ個性があり、ただ宿屋と道具屋がある場所という印象は受けません。

ただ、グラフィックが精細に描写されているがために過去作なら違和感のなかった民家に入ってタンスを物色したり、壺を割ったりする行為が生々しく感じました。

こういった町の探索方法はグラフィックの進化に合わせて何か違う方法になってもいいのではないかと個人的には感じます。

ドラクエ11まもの

本作は一部を除きシンボルエンカウント制が採用されています。フィールド上に見えている魔物たちは生き生きとしており、初見の魔物には積極的に戦闘を挑みたくなります。

バトル中もよく動き、魔物が発した特技や呪文毎にモーションがあります。シリーズではおなじみの「ふしぎなおどり」はこういう踊りだったのかと関心したりもしました。

敵のバリエーションはやや少なく感じる

歴代シリーズと比較してややスライム・スライムベスといった色違いの亜種まものが多めな印象を受けました。

描写が精細になり、まもの毎の個性が感じられるようになったせいか、亜種ではなくてもっと個性的なまものをたくさん見たいと感じることが多かったです。

ネタバレになるので詳細には書きませんが、シナリオ上の都合もあるので仕方がないのかなと思う部分ではあります。

キャラクターに感情移入しやすくなった

ベロニカ

キャラクターの表情の描写も細かく描かれていました。

大所帯のパーティとなると一人くらいは好みではないキャラクターがいたりするものですが、本作の仲間たちは個性的ではあるもののいやみのないキャラクターばかりなので感情移入して物語に没入できます。

また、ドラクエシリーズ伝統にならい主人公は無口キャラなのですが、表情から感情が読み取れるのは大きいと思います。

BGM・サウンド

すぎやまこういちさん作曲のBGM

歴代シリーズから引き続きすぎやまこういちさんが作曲なので、いかにもドラクエっぽいBGMが楽しめます。

ドラクエっぽいって本家ドラクエだから当たり前なんですけどね。笑

戦闘BGMは少しものたりないかなぁと思いましたが、なんども聞いているうちに「ここすき」ポイントが出来てくる俗に言うスルメ曲だと感じました。

過去作のBGMがアツい場面で流れる

本作は過去作のBGMが結構な数で使用されているのですが、その使いどころが最高なんですよ。

なんでもないところで流れても使いまわし感が出ると思うのですが、ストーリー的に重要な局面でばかり流れてくるので鳥肌ものでした。

終盤になると「あの曲くるんちゃう?」と期待しながらプレイできました。

過去作、特に1~3をプレイした皆さんは燃えること間違いなしです。

ボイスなしは好みが分かれそう

フルボイスのゲームが当たり前の時代ですが本作はファミコン時代からの「テレレレレ・・・」という電子音でキャラクターの台詞が流れます。

個人的には違和感はありませんでしたが、人によってはキャラクターのグラフィックが精細なだけに気になる人も居るかもしれません。

ボイス付きならどんな声優さんが声をあてるのだろうというのは気になるところではあるので、オプション等で選択出来れば良かったのかなと贅沢なことを考えてしまいました。

やりこみ要素

クリア後もストーリーは続く

本来JRPGのやりこみ要素というのは超強い裏ボスがいたり、長時間の作業を強いられる収集要素である場合が多いと思うのですが、本作ではエンディング後もストーリーが続きます。

ネタバレになってしまうので詳細は伏せますが、エンディングで一つの物語は綺麗に完結するのですが、クリア後やりこむことによって本編で感じた複雑な感情を消化することができます。

数あるミニゲームの中でも特に光る「マジスロ」

馬に乗って競争するウマレース(そのまんま)やシリーズでは常連のカジノ等ミニゲームも充実していますが、中でもカジノの「マジスロ」はちょっとやりすぎでは?と思うくらいスロットとしての完成度が高いです。

マジスロ

こんな感じでボーナスも目押しで揃えます。演出も凝っていてデュアルショック4のタッチパッドを生かして、プッシュボタン演出があったり、ロングフリーズ演出なんかもあるようです。

ちなみに、このマジスロに登場するスライムがなんとフルボイスです。並々ならぬ情熱を感じます。

まとめ

個人的評価

世界観・ストーリー

王道を往く展開ながらも、意外性が光る飽きさせない展開で最後まで面白くプレイできました。

ゲームシステム・操作性

親切設計でストレスフリー。非常に遊びやすいですが斬新さという面では少し物足りなかったと感じました。

グラフィック・キャラクター

細部まで精細に描写された世界が魅力的でした。キャラクターも感情移入しやすく好きになれる人物ばかりでした。

クリアしやすさ

シリーズの中ではレベルが上がりやすく設計されており道中の敵と適度に戦闘を行い、装備を更新していけば行き詰まることはありません。

しかし、状態異常を使ってくる敵が多めなので火力だけでなく対策を練らなければなりません。やや難しく感じる方もいるでしょう。

その点を踏まえてもゲームバランスは十分クリアしやすく設計されていると言えます。

BGM・サウンド

本作のBGM自体に安定感があることに加えて、過去作のBGMの使いどころが上手く、それだけで感動してしまうほどでした。

キャラクターがフルボイスでない点では好みが分かれそうではありました。

やりこみ要素

むしろクリア後も本編では?といえるくらいのストーリー性のあるやりこみ要素で作業感はありませんでした。

あとは「マジスロ」などミニゲームへの情熱を評価したいです。

万人にプレイをオススメできる傑作!

さすがはドラクエと言うべきか、JRPGでオススメは?と聞かれたたら間違いなくリストにあがります。

シリーズ既プレイヤーはもちろん、シリーズ未プレイの方も11をきっかけにドラクエの世界に足を踏み入れて欲しい。万人に遊んで欲しいそんな傑作でした。

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